胃腸の細胞が作られる仕組みを解明し、報道発表を行いました

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医学部 分子遺伝学 菅井 学教授、森 健太郎助教ら研究チームが発表した論文
“Id2 determines intestinal identity through repression of the foregut transcription factor, Irx5”(日本語タイトル:「Id2は前腸転写因子Irx5の発現抑制を通じて腸のアイデンティティーを決定する」)が、米国科学雑誌「Molecular and Cellular Biology」(日本時間 2月20日)に掲載されました。
これを受けて、文京キャンパスにて3月22日、菅井教授と森助教が研究成果の報道発表を行いました。

本研究は、細胞の分化を調節する機能を持つ“Id2”という遺伝子が胃腸の細胞が作られる上で重要な役割を果たしていることを明らかにしました。研究チームは、Id2の遺伝子欠損マウス(Id2ノックアウトマウス)の消化管を解析し、小腸に『食道や胃の細胞で構成される腫瘍』ができることを発見。Id2ノックアウトマウスの胎児の小腸には、本来は形成されない食道細胞や胃細胞が認められ、その細胞が小腸にできる腫瘍の元になることが判明しています。この時、Id2ノックアウトマウスの胎児小腸では、Irx5と呼ばれる食道や胃の細胞への分化に必要な遺伝子が異所性に発現しており、Id2はIrx5遺伝子の発現を抑えることによって、胎児期の腸が食道や胃にならないように機能していることが示唆されました。
その一方で、Id2遺伝子は食道がんや胃がんが発症する際に発現量が増えることが報告されており、これらの研究結果を包括的に捉え直すことによって、食道がんや胃がんの発症機序の解明や、新しい治療法の開発にもつながる知見をもたらすことが期待されています。

プレスリリース資料

研究成果を説明する森助教(左)と菅井教授

研究成果を説明する森助教(左)と菅井教授

研究成果を記者に説明する森助教(左)と菅井教授

│ 2018年3月22日 │
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