2月7日、福井大学遠赤外領域開発研究センター特任教授 出原敏孝氏が「第6回福井県科学学術大賞」を受賞しました。この賞は、福井県内において科学技術の開発または学術研究に携わり、福井県の発展に大きく貢献した方を顕彰するため実施しているもので、”福井県版のミニ?ノーベル賞”として位置付けされています。
今回の受賞は、開発が遅れていた光と電波の中間に位置する「テラヘルツ光」に関する同氏の業績が評価されました。同氏は、2005年に超高周波数の電磁波「テラヘルツ(1兆ヘルツ)光」を発生させる「ジャイロトロン」装置を開発し、その後も高出力での安定的な発生に成功しました。このように高い電磁波を安定的に発生させる「ジャイロトロン」装置の開発により、今後はテラヘルツ領域の光を使った高品質のセラミックスの焼き上げ、新素材開発、がん治療技術の開発、原発の制御棒材の長寿命化など、多様な分野への応用が図られるものと期待されています。
同氏は、今回の大賞受賞を受け、「テラヘルツ光の研究は、ほかの中性子ビームと連係、融合させることで、さらに新しい分野への応用が期待できます。ジャイロトロンを活用した研究に、さらに取り組んでいきたい。」と抱負を語りました。
同大としては、第1回大賞を受賞してから、第4回、第5回、今回の第6回という3年連続、4回めの大賞受賞となりました。
【業績名】
高出力テラヘルツ光源?ジャイロトロン?の開発とテラヘルツ技術への応用
【業績概要】
超高周波数の電磁波を発生させる高性能な「ジャイロトロン」装置を開発し、高出力での安定的な発生に成功し、原発の制御棒の長寿命化、高感度の医療機器開発、タンパク質の構造解析など、さまざまな分野での応用が国内外で期待されている。